災害について

豪州北東部Queensland州では、100年に1度と言われる激しい雨に見舞われ、大規模な洪水が発生しました。多くの家屋が浸水し、鰐が市街地に出没しているそうでたいへんです。

災害大国の日本と比較すると、災害が少ない印象の豪州ですが、大規模な水害と干ばつ、山火事によく見舞われています。水害について、当地の河川や堤防、排水施設は日本ほど整備されていないため、数百粍程度の降雨でも大きな洪水になってしまい驚きます。

日本は災害に強く頼もしい国ですが、災害に遭った時の対処の仕方、意識について、豪州人を見習うこともあると思います。例えば、先日、Sydney周辺で大雨による洪水被害があった時、冠水した道路に多くの車両が進入して立ち往生し、消防などに救出されました。その際、危機管理を担当する当局の責任者が、「運転者は愚かな判断をするな。税金を無駄遣いさせるな」と話し、いかにも自己責任の国らしいと思い感心しました。

自分の身は自分で守ることは当然なのに、最近思うことは日本ではどこか他人や行政に依存する意識が強く、豪州のように当たり前のことが言えない雰囲気があるように思います。警報が出なかったから逃げられなかったとか、大雨や大雪の予報が出ているにもかかわらず出かけて被災した挙句、消防や警察などが助けてくれないなど、そんな発言をする日本人が少なからずいることに驚きます。

最も大切な自分の生命の危機管理について、僕は他人や行政任せにするなんて考えられませんし、将来は水害など大規模災害が頻発することが予想されていますが、大災害時は救助や支援などの公助が行き渡らないのは当然なので、自助と共助が大切だとあらためて思います。

さて、共助と言えば、豪州には伝統的に互いに進んで助け合う文化があり、Mateship(同朋意識)と呼ばれ、豪州人の国民性と言われています。英国の階級社会を忌避した移民たちが、開拓期の厳しい環境の植民地で生き抜くために助け合い、培われた気風だそうで、豪州人同士の日常会話「G’day, mate」「Thanks mate!」にも見られます。日本に比べたら、共同体の結びつきは弱い豪州社会ですが、自己責任とMateshipの組み合わせは、とても良いものだと思いました。

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