大東亜戦争の戦跡めぐり

SydneyはPort Jackson湾という広大な天然の入り江に面し、外洋からの入り口は、南北から突き出した岬により狭窄部になっており、守りやすい天然の要害です。North Headは高台になっており、Tasman海と市街地と自然が織りなす美しい湾の眺めが素晴らしい展望台で、ここにはかつて州都防衛のための砲台が築かれていました。

North Head Tunnel Tourは、砲台跡の地下施設など通常は入れない軍事施設を見学できる貴重な機会で、家族と参加しました。Sydneyの防衛と先の大戦中に行われた大日本帝国海軍の潜水艦と特殊潜航艇によるSydney攻撃の詳細について、Volunteerから詳しい話を聞くことが出来て良い勉強になりました。この英国製の巨大な砲身は豪州に2本、新嘉坡のSiloso要塞に2本残るだけだそうです。
Volunteerの方の曽祖父は、第一次世界大戦の激戦地で多数の豪州兵が犠牲となったGallipoliの戦いに従軍され、その祖父は第二次世界大戦に従軍したなど軍人一家だそうです。僕の祖父も南太平洋戦線で連合軍と戦い、お互いに生還できたこと、新嘉坡のSiloso要塞を訪ねたことなど共通の話題があり、話が弾みました。

大東亜戦争中、日本軍の勇猛さは広く知られていますが、豪州軍は連合軍の中で最も勇猛だったと言われています。75年前に激しい死闘を繰り広げた両国の軍人の子孫が、不幸な過去の歴史にこだわらず、明るい未来だけを見つめ、笑顔で握手できることこそ、真の未来志向だと思いました。
日本人の若い世代で、日本が豪州と戦争したことを知る人は少ないと思いますし、大日本帝国海軍がSydneyを攻撃したことを知る人はごく僅かだと思います。だからこそ、双方の不幸な歴史を多くの方に知ってほしい。
帰国前に、祖父が赴いた南方戦線の戦跡を訪ねてみたいと思いました。
所在地 North Head Visitor Centre, North Fort, North Head Scenic Drive, Manly