Sydney市中心部から西へ約20kmほど離れた所に多様性に富む都市Auburnがあります。そこにあるAuburn Botanic Gardens内には日本庭園が造られ、池の周りには桜が植えられ、毎年冬になると桜が咲き誇り、Sydney Cherry Blossom Festivalが開催され、多くの人を集めます。
日本を愛する人がたくさん集まる場所なので、日本文化や旅行先を紹介する仕事で参加しました。
日本とは季節が真逆の豪州では、冬から春へと時が移ろいつつあります。今日、従事したSydneyさくら祭り会場は桜が満開でした。染井吉野や枝垂桜はあまり見かけず、八重桜が多くあり、嬉しいことに山桜にも出会えました。
数ある桜の中で僕がもっとも好きなのは山桜です。栗原では栗駒山の残雪に駒形が浮かび、田植えの準備が始まる頃、里山の新緑の中に映える淡紅色の山桜に、えもいわれぬ風情を感じます。

日本の桜の名所と言うと王朝時代から有名な吉野山が挙げられますが、吉野の桜とはもともと山桜を指し、山桜は日本の桜の代表的な存在で日本の象徴ともされ、和歌にも数多く詠まれました。
そして、山桜にはたくさんの花言葉があります。桜全般の花言葉は「精神の美」「優美な女性」ですが、山桜は「あなたに微笑む」「純潔」「高尚」「淡白」「美麗」という花言葉をもっています。興味深いことに、代表的な桜の花言葉は、女性を形容する美しい響きの言葉が使われています。その由来は、まず桜の名前が、古事記に登場する木花咲耶姫の名前から名付けられたと言う説があります。また、花言葉の由来も、桜が持つ高貴な美しさと、仙姿玉質にして謙虚で教養も兼ね備えていた木花咲耶姫が似ていることから、意味付けられたと言われています。
海外では決して出会えないと思っていた美しい咲耶姫に魅了され、栗原と日本がますます恋しくなりました。