NZ縦断の旅 12日目

NZ縦断の旅は今日が最終日です。
午後の飛行機出発時刻まで限られた時間で市内観光します。中心市街地へ行きたいところだけど、十分な時間がないため、Auckland War Memorial Museumだけに絞ることに決めました。

Auckland War Memorial Museum

Auckland戦争記念博物館は、国内で最初の博物館で、1852年にAuckland中心部のGraftonに設立されました。国内はもちろん国際的に重要な収蔵品を所蔵していることで知られています。

博物館は同国の歴史、太平洋に位置する同国とその人々の物語を伝えます。そして、この博物館はAuckland地方の戦争記念館であり、同国内で三本の指に入る歴史的な図書館の1つを保全しています。他に並ぶものがないほど豊富な先住民族と太平洋の収蔵品、重要な自然史の資源、主要な社会史や軍事史の収蔵品、芸術や絵画の収蔵品があります。

この博物館はMaori語でPukekawaと呼ばれる緑の芝生に覆われた小高い丘の上に屹立しています。まるでGreek神殿のような古典的なGreek Revival様式の堂々とした建築物で、同国内で最も優れた歴史的建造物の1つとされていて、その大きさと荘厳さに目を見張ります。
博物館が立つ丘からはAucklandの港と中心市街地をはじめ、四方を見渡すことが出来ます。

この博物館はまた、第一次世界大戦や第二次世界大戦などNZが関わった戦争や紛争で命を落とした犠牲者のための記念碑でもあります。

正面玄関のbronzeの扉はpoppyが装飾されています。Poppyは戦死を象徴しており、この花が用いられた理由は第一次世界大戦で戦士したNZ軍の兵士が埋葬された欧州の戦場に生えていたためです。Poppyは博物館の意匠の主要素として博物館内部全体で見ることが出来ます。豪州の首都にある戦争博物館と意匠が似ています。

館内で大きな面積を占めるのが、先住民Maori族を学べる展示です。Maori族の衣食住にかかわる様々なものが展示されており、独特な彫刻が目を引きます。

儀式の場である集会場には、実際に靴を脱いで中に入ることが出来ます。アイヌ民族の文化と似ているような気がしました。

そして、最も興味深いものがMaoriによるshowです。Maori族が登場し、Maoriの歴史や生活の営み、文化等について、踊りを交えながら説明してくれます。
最後のお楽しみは、Maori族の民族舞踊です。

New ZealandのRugby代表All Blacksが、試合前に対戦相手を尊敬し、自らを鼓舞するために踊ることで有名なHakaを目の前で観賞できます。
自らの体を強く叩いて音を出したり、相手を食べてしまうぞという舌を出す仕草など、相手を威嚇する鬼気迫る表情と激しい踊りに魂が震えます。少人数とは言え凄い迫力に驚きます。
Showが終わると、一緒に写真撮影に応じてくれます。

Maori族は一昔前まで顔まで全身総入れ墨をする者がたくさん居たそうです。Maori族の女性は、日本に居ても全く違和感のないような印象を受けました。元々は同一の祖先から枝分かれしたのかもしれません。

戦争記念博物館の名の通り、NZ人が豪州人と連合し、ANZACとして参戦した第一次世界大戦や第二次世界大戦について、たくさん学ぶことが出来ます。

第二次世界大戦における太平洋戦線の展示もあり、驚くことに、なんとここには無傷の零戦があるのです。ここに展示されている零戦の物語、特攻に使われるはずだった機体と搭乗員を守るため、わざと整備を遅らせた整備士たちの話は、見る者に深い感動を与えます。

零式艦上戦闘機二二型

第二次世界大戦において英国空軍を始め連合軍で使用された、零戦と並ぶ名機Spitfireも展示されています。英国のSupermarine社が開発した同機は、英国防空戦の際に活躍し、独逸空軍の爆撃機や戦闘機から英国を救った「救国戦闘機」とも呼ばれています。

自然や動物の展示も豊富で、子供も楽しみながら学べる工夫がされています。

見どころがいっぱいで、じっくり鑑賞したら1日では時間が決して足りない博物館でした。

博物館を後にして空港へ向かいます。車を返却し、事故に遭わず大きな問題もなく旅を終えることが出来たことに感謝します。
空港で搭乗手続きをすると、とても名残惜しい気持ちになりましたが、NZの主要な見どころを訪問でき、充実した旅になり、家族の素晴らしい思い出が出来ました。

残り約2ヵ月間の海外赴任期間、後悔しないよう充実した毎日にしたいと思いながら、NZを飛び立ち豪州へ戻ります。

豪州へ帰国後、car rental会社からNZ国内で速度制限違反をしたので、罰金NZ$100を追加請求する、という連絡がありました。ほろ苦い思い出です。

NZ縦断の旅 まえがき

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