NZ縦断の旅 Lake Tekapo

Stargazing. What an amazing sight!

UNESCOの星空保護区に指定されているTekapo湖の周辺は、空気が乾燥しており、光害がないことから星空観察に最適な場所です。
NZでは、日本の本州ではほぼ見られない南十字星や、りゅうこつ座とそのα星Canopusなど、南半球の星座の世界を見ることができます。
ここで満天の星を見て、善き羊飼いの教会と一緒に星景写真を撮るのがNZ旅行前からの楽しみで、好天を願っていました。天気は期待できそうですが、風が強そうです。前日夕方に下見をしていたので、月明かりが消える未明に起きることにして、前日は早めに就寝しました。

未明に起きて屋外へ出ると、風が吹き荒れていました。善き羊飼いの教会周辺はあいにく工事中で、高い柵が張りめぐらされていたため、星と教会を組み合わせて良い構図にするのは至難の技でした。そして、星を大きく綺麗に写すための、Soft Focus Filterを忘れてしまったことに気がつき落胆しました。気を取り直して撮影を試みますが、何よりも困ったのは強風です。三脚が吹き飛ぶくらいの強風が吹き荒れています。画質を劣化させないため高感度撮影をせず、星を綺麗に写すためには25秒程度の長時間露光（地球の自転により星が流れない限界の時間）が必要ですが、三脚を立てても強風でぶれてしまい意味がありません。仕方なく、三脚に全体重をかけて固定しますが、微妙に揺れてしまうと見えて、写真はぶれています。こうなれば最後の手段で「数打ちゃ当たる」とばかりに、何十枚も撮影しまくります。指先が冷たくなるほど寒い夜中に、長時間撮影し続けるのは大変でした。2時間以上も撮影し続けると、しまいには東の空が白み始め、撮影できなくなってしまい、その時点で終了しました。そうして、何枚かうまく撮影できたのが、掲載している写真です。

Lake Tekapo

目が覚めると良い天気だったので、湖畔に足を運んでみました。太陽が眩しいほどの好天ですが、強風が相変わらず吹き荒れ、防寒着を着込まないと震えるような寒さです。湖の中に何か生き物がいると気づいたら、なんと独逸人の若い女性がふたり泳いでいるではありませんか。これにはもうびっくりしてしまいました。独逸人は寒さを感じないのか!?　さすが世界中を敵に回して戦った独逸人の根性は半端でないと妙なところに感心していましたが、岸に上がった彼女たちは震えていました。

湖畔にはLupin Flowers（日本人が言うLupinus）が少しだけ残っていました。Tekapo湖があるMackenzie地方では、初夏の11月からLupinが咲き始めるそうで、Lupin Flowersの群生が最盛期の写真を見ると、思わずため息が出るような美しさです。Tekapo湖を訪れるなら、ぜったいに11月から12月上旬がおすすめだと思います。

宿など観光施設が集まる地区から橋を渡り、住宅街と善き羊飼いの教会がある対岸へ再び移動しました。素朴な作りの善き羊飼いの教会が、美しい自然風景に溶け込んでいます。

昼食は、日本人が経営している日本料理店「湖畔」へ。この地域では綺麗な雪解け水を使って鮭の養殖が行われており、美味しい鮭が食べられるのです。久しぶりの和食、鮭は新鮮で美味しく、味噌汁を啜ると日本人の国民食はやはり味噌汁だとしみじみ思いました。

昼食　KOHAN Japanese Restaurant
所在地　6 Rapuwai Lane, Lake Tekapo 7945, New Zealand

町から北北西の方角にある小高い山はMount Johnと呼ばれており、山頂には天文台があります。そこからTekapo湖とMackenzie盆地の眺めが良いとのことで、昼食後に行ってみることにします。

子どもたちは公園の遊具で大はしゃぎです。

Mount John Observatory

Tekapo湖を見下ろす海抜1,031mのMount John山頂には、Canterbury大学のMount John天文台があります。この土地はとても乾燥し、大気汚染や光害もないことから星座観察には最適の場所。もちろん星景だけでなく、Tekapo湖の眺めが良く、遠くには雄大なSouthern Alps、Mackenzie盆地を見渡すことができます。

山頂には椅子がおいてありくつろげますが、僕らが訪れた時はとんでもない強風で外で休憩なんて不可能でした。体重の軽い長女は吹き飛ばされそうなほどの強風で、写真を撮ろうにも機材が風で煽られ固定できません。とても寒いので、Cafeに逃げ込み、暖かい飲み物で体を温めました。珈琲、紅茶、Hot Chocolateがあり、美味しそうなSalmon BagelやCarrot Cakeもありました。