Sydney中心部から電車で西へ30分ほど移動するとAuburnという郊外の街に着きます。この街は、多文化共生社会の豪州で、多文化をもっとも実感できる場所のひとつ。駅前の通りには、中華系と中近東の飲食店や雑貨屋が軒を並べ、白人の姿は見えず、黄色人種とMuslimの服装をまとった女性が多いことに気がつきます。町外れには豪州で最も大きいmosqueがそびえ立っています。


豪州は初期の英国と愛蘭からの移民に始まり、東欧、南欧と続き、最近は中近東、東南亜細亜から移民が押し寄せています。統計情報によると、この街の人口比率は、中国系が約2割、土耳古系が約1割、それにLebanese、Nepalese、印度系と続いています。

豪州は毎年一定数の難民を受け入れており、連邦政府は難民が寄り添って生きられるように、特定の地域を指定して受け入れているので、様々な民族や文化を背景とした共同体が生まれています。
難民がばらばらに生活すると様々な課題解決に支障を来たすので、そうした取り組みが行われ、多様な街が形作られているのです。
Lebanese cuisine
Jasmin 1 Lebanese Restaurant
この街は国際色がとても豊かで、多国籍の本場の民族料理を安く食べることができます。僕のお気に入りのLebanese料理を紹介します。

Lebanese料理は中東のLebanon共和国あたりで食べられている料理です。
中東諸国で広く食べられているArabian料理と共通した特徴を持ち、Kebabのような肉料理と野菜をふんだんに使用した料理が豊富です。

Khubz(ホブス)と呼ばれる薄いbreadが主食で、Hummus(フムス、ホムス)という雛豆と胡麻と香辛料などを磨り潰したdip(paste状の料理)等をすくって食べます。小麦にひき肉を詰めて揚げた肉団子のKibbeh(キベ、キッベ)、潰したひよこ豆等に香辛料を混ぜて丸め食用油で揚げたFalafel(ファラフェル)が代表的で、豊かな食材と香辛料をたっぷり使った美味しい料理が多いです。


写真のお二方は川崎市長さんと議長さんです。

川崎市と姉妹都市のWollongongでの式典に参加し、豪州の先進的な多文化共生と障がい者に関わる政策をNSW州政府から学ばれるため僕が同行した際に、この店を紹介しました。初めてのLebanese料理でしたが、とても美味しいと仰られたくさん召し上がられました。福田市長はとても勉強熱心で英語も完璧とすこぶる優秀で、明るく気さくで偉ぶることなく素敵な方でした。
僕は、豪州を視察される首長や議員の皆様には、実際に多文化共生写真を五感で体験していただくため、あえてこうした庶民の店にご案内するようにしています。
電車賃200円で、気軽に海外旅行気分が味わえます。
この街はまた、治安の悪さでも知られていて、犯罪と銃撃事件が多数発生しており、警察はgangの取り締まりを行なって治安を改善しているそうです。

ちなみに、この街のAuburn Botanic Gardenには日本庭園があり、毎年春先には地元の自治体と日本人関係者により桜祭りが開催され、僕の職場も参加しています。
Jasmin 1 Lebanese Restaurant Auburn
所在地 22 Civic Rd, Auburn NSW 2144, Australia