豪州の教育制度について興味があり、長男が通学する施設で開催されているNSW州の教育制度について学ぶ勉強会に参加しています。英語を母国語としない生徒への支援策や高等教育の仕組み、生徒が安心して学べる環境作りなど興味深い内容です。
英語が理解できない保護者のために通訳もつけてくれる親切ぶりに、多文化共生社会の豪州の本気度が分かります。こうした説明会には飲み物やお菓子も用意されており、保護者が教員と気軽に会話できる場となっていることも、日本では見られない素晴らしい取り組みだと思います。

僕の印象に残ったのは、個人の自由が尊重されながらも自律と自己責任を学ぶ環境になっていることです。僕は、日本は米国のように完全な自己責任型の社会ではなく、人々が支え合う社会を目指すことが必要だと思っていますが、個々の意識としては自己責任をもっと心がけることも必要だと考えています。
その他に、社会の決まりを守ることも大切にされていて、いじめや暴力、喫煙などはご法度で、教師の目の前で発覚したら、生徒はその場で即退学という厳しい処置が取られます。いじめ問題でも、対策らしい対策が取られず、酷い自治体等では隠蔽されてしまう日本の教育現場とは大違いです。
さて、ご存知の通り豪州は移民大国で、人口約2,300万人のうち4分の1が外国生まれという社会です。この国では40年以上も前に白人第一の白豪主義から多文化主義に政策変更し、たくさんの移民を受け入れ、多様な人々が共存できる理想の国づくりを行ってきました。
しかし、最近の欧州や米国の動きに追随するかのように、現政権は移民制限の方針を打ち出しました。この政策変更により、外国人労働者は制限され、市民権を得ることも難しくなるそうです。多様な国と民族の価値観を受け入れ、多様な人々が持つ能力を引き出せるような素晴らしい仕組みに陰りが見えたり、失われたりしないことを祈っています。
余談ですが、日本も満州国を建国した際は、「和・韓・満・蒙・漢」の五民族が協調して暮らせる多民族共生の国を目指していた側面もあります。豪州では、英語を母国語としない人々への支援も手厚く、日本も学ぶべき先進的な取り組みがたくさんあります。
