豪州大陸横断鉄道の旅 4日目

Indian Pacific Eastbound Day 4

大陸横断鉄道の4日目(最終日)、目が覚めると列車は丘陵地帯を走っていました。これまで直線ばかりだった線路が、丘や山、川に沿って蛇行し始め、大分水嶺山脈や東部高地と呼ばれるGreat Dividing Rangeの山々を駆け登ります。列車は曲がりくねった線路を豪快に飛ばして走ります。

ふと列車後方を見やると、雨上がりの空に大きな虹がかかっていました。ちょっと感動的な風景でした。砂漠気候のOutbackでは見られなかった緑がたくさんあり、ほっとした気持ちになります。Outbackに住む人々は虹を見たことが無い方も多いかもしれません。

ここまで来て、広告写真でよく見るような長大編成を写真にようやく収めることが出来ました。
この車両は客室全ての窓が開放できない作りとなっています。乗客の転落防止や、窓の締め忘れによる砂嵐対策などが目的かもしれませんが、写真好きにとっては列車本体や風景を十分に撮ることが出来ず、もどかしく思っていました。Outbackでは線路の線形が直線に近い区間が多いため列車全体を見渡すことが出来ず、山岳地帯に差し掛かり窓越しでもようやく見ることが出来るようになったのです。

牛の牧場が延々と続きます。牧歌的な風景に癒されます。

最後の食事が提供されます。食事中、車窓には緑がまばゆいEucalyptusの森の中に岩の断崖が見えてきます。
列車は雄大な景色に圧倒される世界遺産Blue Mountainsに差し掛かりました。
Perth発、東行きの便はBlue Mountainsには停車せず、山岳路を高速で通り抜けます。

列車は坂道を日本の鉄道では考えられない程の高速で駆け降り、東海岸へ向かいます。

平地に出ると街が見え始めました。
大自然から市街地へと風景が移り変わります。

ふだん利用している近郊路線の二階建て電車もすれ違うようになりました。
終点のSydneyに近づいていることを実感します。
荷物をまとめて下車する準備をし始めますが、まだ乗り足りない気持ちです。

街はどんどん大きくなり、高い建物も増えていきます。
Sydney近郊の主要都市へ迎う特急列車を追い越します。

高層建築物が見えてきました。
Sydney Central駅手前のRedfern駅を通り過ぎました。
ここはかつて巨大な車両基地があった場所です。

列車は速度を落とし、煉瓦造りの長大なplatformにゆっくり滑り込みました。
いよいよ終点Sydney Central駅に到着です。

列車はゆっくりと停車しました。
目の前に見慣れた懐かしい景色が広がります。

巨大なterminalのplatformに荷物を両手に降り立つと、急に現実の世界に引き戻されました。

Outbackの駅では想像も出来ないくらい賑やかな大都市の喧噪に、懐かしい気持ちと、何か寂しい気持ちが入り混じります。
乗務員にお礼を言い、記念に家族で写真を撮影してもらいました。

長いようでとても短かった、4,352km、3泊4日(65時間)の長距離列車の旅でした。飛行機では決して味わうことの出来ない、雄大な豪州大陸の魅力を五感で体感し、非日常の世界と出会う大陸横断鉄道の旅。旅行というより、もはや冒険と呼べる領域です。

車両はふたつに分割され、後ろ半分の車両が隣のplatformに入線してきました。
Indian Pacificでしか見ることの出来ない光景です。

僕らが乗車したIndian Pacificは、折り返しPerth行きの便となります。14:00の乗車、15:03の出発時刻に合わせて、清掃と点検作業が行われます。

Platform末端まで歩くと、Indian Pacificの乗車手続きが行われており、待合席には大きな荷物を携えた乗客が待っていました。

今回の旅を終えて、豪州大陸をますます好きにならずにはいられません。
鉄道好きの方にはもちろん、豪州を観光したい方にもおすすめの旅の形です。

豪州大陸横断鉄道の旅 前書き

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *